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ドラマ・映画・本の感想を淡々と書き留めるブログ

映画「マエストロ!」を観ました

映画「マエストロ」を観ました。

松坂桃李主演、2015年1月公開作品。

 

いい人材をどんどんほかに引き抜かれた末に解散してしまったオーケストラの

再結成をユーモアとともに描かれた作品でした。

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西田敏行さんはやっぱりすごいなぁ。

終盤のベートーベンの「運命」を指揮した時の迫力がものすごくて。

私は音楽にそれほど詳しく良い耳を持っていないため演奏が上手だとか下手だとか

そういうことがよくわからないですが

下手したら音楽がそんなに素晴らしくなくても

西田さんの表情の豊かさで上手に聞こえるんじゃないかと思うほどでした。

 

松坂桃李さんって、人と人の間に挟まって大変な目に合う役が多いですよね。

「今ここにある危機と僕の好感度について」と「あのときKissしていれば」を

最近楽しく見ていたので私の中でそういう印象になってしまったのかな。

この作品でも人と人の間に挟まって大変な思いをしてました。

そして最後には切れてみんなの気持ちの代弁者としてぶちまけて拍手を浴びてました。

同じような役だからと言って全部似通っているわけではなくて

それぞれ別の顔をしていて、映画を見ている間「ももち」を思い出すことも

「神崎さん」を思い出すことも全くなかったので、すごいなって思いました。

 

松坂桃李さんと西田敏行さん以外のキャストを詳しく知らずに見始めたため

ナレーションの声・・・、なんか聴いたことあるぞ

誰だこの語り口は絶対聞いたことがあるぞ。

あ!孤独のグルメ!ってなったときちょっと嬉しくて

このまま松重さん出てこないのかなぁと思っていたらちゃんと出てきてくれて

2重に嬉しかったです。

ちょっとした役で中村倫也さんが出ていて、「おおっ。」ってなりました。

ちょっとした役といっても結構出番があったので

2015年てどれくらいの人気の時期だったんだろう。

こういう発見って過去作品を観ることの面白さだったりします。

 

濱田マリさんの口の軽いおばちゃん感、愛おしかった。

 

古館寛治さんと池田鉄洋さんの役みたいな中立な立場で

冷静に周り見渡している感じの人って素敵です。

 

miwaさんの声って唯一無二だなって感じました。

高いんだけどキンキンした嫌な感じがなくて響きがあって。

あまねちゃんの役にピッタリだと思いました。

 

西田敏行さんが演じるマエストロの天道さんが

くたびれたオーケストラのみんなを触発して

どんどん生き生きと再生させていく様が心にグッときて泣けました。

 

終盤、ひとりの観客に向かって演奏するオーケーストラの面々を観ていて

今回の東京オリンピックの無観客問題や

お客さんが一定数入らないのならコンサートはやらないと言って

中止してしまったアーティストのあの方を思い出したりしました。

そこにお金とプライドがかかってくるからややこしくなってしまう。

本来はきっと、何事もひとりを喜ばせることが出来れば御の字なんだろうな。

金とプライドって厄介ですね。

 

エストロ、指揮者という職業は私が思っている以上に孤独で

オーケストラのメンバーからの信頼と信用を勝ち取るまで

いかに大変なのかというのがよくわかった作品でした。